隠岐の島行 2日目

初日は島後にてキャンプ。
2日目は島前(西ノ島)へ移動して国賀海岸を目指す。

--9月21日 月曜日

波の音で目が覚める。が、二度寝したりしながらようやく9時前にのそのそ起き出す。9時前、とは言ったが時計と言うものを持ってきておらず、おまけに携帯は昨日電池が切れてしまっていた。つまり時間を知る術がない。どうやら携帯の電池というのは、電波圏外と圏内をいったりきたりしているとスゴイ勢いで消耗されてしまうようだ。今後気をつけよう。
なのでここは一つ、古の先人達に倣って太陽の位置で時間を計ることにする。とりあえずまだスクーターを返す正午までは時間があるはず。湯を沸かしコーヒーを淹れて、買っておいたバケットで朝飯とする。
人心地ついたのでテントを払って焚き火跡に砂を掛けて踏み消し、ざっと周りを掃除。キャンプの許可をくれた船長さんが港に出てないかと探したがいなかったので、心の中でお礼を述べて出発。
結局浄土ヶ浦も壇鏡の滝も見れずじまいだった。と、そういえば福浦トンネルは目と鼻の先だったことを思い出したのでひょいひょいと見に行く。

4007086930_62a3e71088福浦トンネルは現在主に使われている新福浦トンネルと、海岸沿いにある旧福浦トンネル、さらに海岸ギリギリにあって完全手掘りの旧・旧福浦トンネルの3つがある。旧・旧福浦トンネルが僕の目当てだが、実際行ってみると本当に海岸ギリギリである。1m道を外れると海面、という勢い。トンネルもトンネルで、中腰にならないと通れない高さ。でもこのトンネルがずっと使われていたんだろうと思うと途方も無い。ここ通って通学とかしてたんだろうて。少年少女が。すげえなあ。
旧福浦トンネルの方は車が一台通れるほどの幅で、一応路面は舗装してあるが現在は全く使われていないらしく、入口に車止めがしてあった。さらに「関係者以外立ち入り禁止」とある。よく見ると天井の岩肌に大きな亀裂が入っている。立ち入り禁止なのは、危険だからなのかもしれない。

時間もわからんので早めにスクーターを返して、西ノ島、別府港行きのフェリーに乗り込む。西ノ島といえば国賀海岸、そして摩天崖だ。あのズドーンとそぎ落とされた崖だけは見て帰らなければ。そしてあわよくば国賀海岸でキャンプしようと目論見つつ、フェリーは別府港に到着。

douzenさて、別府港と国賀海岸は西ノ島のほぼ反対側に位置している。当然港からは観光客向けに路線バスが存在する。区間内は一律200円。格安だ。だが次のバスが来るのは1時間後らしい。地図を眺めていると、そこまで狂ったほど遠いわけではなさそうだ。今日西ノ島でするべきことは特に無いし、バスでさっさか島を横断してしまうのも味気ない。
ということで歩いていくことにした。だいたい9キロくらいのものだ。それに国賀海岸に売店でもあればいいが、ちょっと期待できない気がする。途中で今夜の飯やらなにやら、できれば買っておきたい。とりあえずは大体中間点にある浦郷港を目指して歩き出す。
地図ではわからなかったことだが、意外に道中は起伏が激しく、ちょっと後悔し始める…が、スーパーを発見。昼飯のアンパンと今夜の飯(また袋ラーメンだが)と、糖分補給用のビスケットを買って再出発。
今回の裏テーマは極力金を使わないことだったりする。あまり徹底されていないが。

途中、湾の上を大きく横切る橋の上で昼飯+ビスケット。あまり徒歩で通る人はいないようで、通り過ぎる車の人たちが一様に驚いた顔をしていた。
自転車の人たちは沢山いた。
ところで最近、自転車買ってから気になりだしたのだが、最近ロードバイクに乗ってる人が多い気がする。というか以前から多かったのかもしれない。島後でも島前でも、レーサースタイル(というのか?流体力学的によさげなヘルメット被った方々)のサイクリスト(でいいんだろうか)をよく見かけた。自転車で旅行するのはちょっと憧れ始めている。けど僕はどっちかというとキャリアつけてサイドバッグつけて、のチャリダースタイルのほうがやってみたい。あのヘルメットはまだなんだか被りたい気にはなれない。

4006320471_d98b9eed29閑話休題、延々歩いて坂を上ってちょっと下ってまた上って、ようやく国賀海岸に着いた。3時間くらいかかったが。正直しんどかったのでもう荷物は国賀海岸の東屋に放置して、摩天崖の上を目指すことにする。また登りか!
国賀海岸は至る所に地雷(牛の糞)が散乱している恐ろしい場所だった。が、あまりの密度に30秒ほどで気にならなくなる。一見大丈夫なところも、どうせ乾燥して砕けた糞だらけに違いないのだ。
ようやく摩天崖の上にたどり着いた頃には夕方5時も過ぎ、観光客の姿もまばらになっていた。天気は曇り、雨でないだけマシな感じだった。高い崖の上からの景色はノルウェーを思い出させた。トナカイのかわりに、いるのは牛馬だが。

荷物を置いてきたので、また国賀海岸までもどらなくてはならない。でも下りなのでまだ楽だった…と言いたいが、下りは下りでしんどかったりする。
さて、国賀海岸でキャンプをしようと目論んでいた訳だが、というか国賀海岸はキャンプにうってつけなスペースが用意されており、もうここでいいじゃん!つかここしかないでしょー的な雰囲気を醸成しているのだけど、看板にはこう書いてある。「この付近でのキャンプは禁止です 耳浦キャンプ場を利用してください」。
耳浦キャンプ場?地図で確認。
…これは、歩いて行ったら、日付が変わる。

と、そこにおばさんとガタイのいいおっちゃんの一組が現れる。
軽のミニバンでやって来たあたり、地元の人だろうか。
「君は今日ここでキャンプするの?」
「いや、禁止らしいんで他所探そうかと」
「なんで?ここでやればいいでしょ」
聞くところによるとその方の甥っ子も毎年ここでキャンプしてるらしい。
「昔の方式のキャンプはテントの周りに溝掘ったりしてたから、それをやると芝生が痛むってことで禁止にされてるんだよ。あとは火とか大規模に起こさなきゃ大丈夫でしょ」
それはありがたい。ということでキャンプ決行!
というかよく考えたら半径1kmには人住んでなさそうな場所だし、普通ばれないか…ただ違反は違反だということは認識しつつ、極力痕跡の残らないようなテント設置を心がけつつ。

国賀海岸のキャンプは、本気で静かだった。
周りにも明かりは一切ない。しかも曇天なので星明りもない。焚き火も起こしてないので、唯一の明かりである電池式のカンテラの範囲外は完全な闇。人類滅亡したらこんな感じなんだろうか。今カンテラの電池が切れたら恐ろしすぎるな、とか思いながら米を炊いて晩飯を食べる。
タバコの紙が燃える音、自分の呼吸音。あと自分の動作が起こす音、波と風音、以上。
夜の底という風情。
不意に、本気で一人というのが身に迫ってくる。しかし同時に、あー生きてるんだなあという感覚のようなものが感じられる。コンビニやネットやテレビや出勤の混雑なんかでは感じられない感覚。以前の旅行中、日常的にあり、その後次第に失われていった感覚。
僕はやっぱり全力で引きこもり属性なんだなぁと再確認する。
極端なアウトドアは、他人とのコミュニケーションの必要がないという点で部屋にこもっているのと変わらないからだ。

この日は読書もそこそこに寝る。

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3日目はバスで別府港まで戻り、海鮮丼を食って七類行きのフェリーに乗っただけだから割愛。
なので隠岐の島行は以上で終了であります。

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