カテゴリーアーカイブ シリア

英雄サラディン

–シリア、ダマスカス

PICT0958.JPG

 シリア首都ダマスカス。別名シャム。市街を覆うようにそびえるカシオン山は、それ自体の裾野もびっしりと建物に覆われている。
 このカシオン山は世界初の殺人現場だという。犯人はカインで被害者はアベル。アダムとイブの息子たち。
 ダマスカスにはアイユーブ朝スルタンの王、英雄サラディンの墓もある。十字軍と熾烈な戦いを行ったサラディンは捕虜を全員殺さなかったという寛大な君主だったという。最古のモスクといわれるウマイヤド・モスクに隣接して建っているサラディン廟には、今も多くの人たちが訪れていた。
 写真はウマイヤド・モスク内部。モザイク画が美しい。

砂塵舞う遺跡

–シリア、パルミラ

PICT0925.JPG

 “悲運の女王”ゼノビアが治めた地、パルミラ。かつての栄光は見る影もなく、砂漠に列柱などわずかな遺物が残るだけとなっている。ローマから数々の国を解放し、その国々から快く受け入れられたと言われる女王ゼノビアはとてもドラマチックな生涯であったらしい。
 パルミラとはラテン語における「椰子の町」を意味する国名で、椰子生い茂る豊かなオアシスであり、シルクロードの終わりの休息地として繁栄したとのこと。
 今はもう当時の繁栄を想像する事も難しいほど破壊され、風化してしまっている。
 とりあえず僕がしたことは、コスプレ。

アレッポ石鹸の威力

–シリア、アレッポ

PICT0910.JPG

 アレッポ。例のごとく正直予備知識ゼロ。
 いや、ひとつだけあった。トルコのドゥバヤズットで出会ったけんぷーさんが言っていたではないか。
 「アレッポ石鹸が激安で買える!!」
 で、アレッポ石鹸。よく知らないが最近では日本でもよく知られているらしい代物らしい。
 曰く、「オリーブオイルと月桂樹オイルと苛性ソーダを原料に造った石鹸」「主原料であるオリーブオイルは、人の脂肪酸とよく似た組成を持つオレイン酸を多く含み、汚れを落としつつも脂肪酸を補うことができるため、肌に滑らかな潤いを残す」「肌、頭皮、髪の毛に対して、強壮、消毒、消臭、フケとりなどの効果がある」だそうで。
 こりゃあ試さなければ、と早速購入。体を洗ってみる…洗い流すと明らかに黒く濁ったすすぎ水が!すごい洗浄力!…と思ったが、そういえば最近風呂入ってなかったからかもしれない。早計は禁物だ。
 タオルの洗濯に使ってみた。…やはりすごい洗浄力!薄汚れていたタオルが一気に回復した!これは確かにすごい。でも、月桂樹だかなんだか知らんが、あまり良い匂いではないな。
 という訳でアレッポ石鹸をあと2つばかり買ってみましたので、欲しい人は言ってください。先着2名様に差し上げます。
 写真はアレッポ城。

ガソリンスタンド野宿

–シリア、アレッポ

PICT0902.JPG

 トルコのアンタクヤを通過してシリア国境へ。
 シリア入国にて恐ろしく手間がかかる。僕たちがビザを持っていなかったからだけど、国境でなんとか発行してもらうことはできた。しかし、国境に着いたのが正午で、ビザが降りたのは夜11時。もう外は真っ暗闇もいいとこだ。タクシーも恐ろしい額をふっかけて来る。仕方ない、朝まで待つか…と思っていたところで、ヒッチハイクすることに成功。ただし、アレッポまでは行けないから途中で別の車を拾ってくれとのこと。
 降ろされた場所はアレッポまで40㎞程の場所。眠いけど車を拾わなければならない、と思っていると、目の前のガソリンスタンドからなにやら人影が現れた。「こっちへ来い!」
 男はどうやらガソリンスタンドの管理者のようで、僕たちがアレッポへ行きたいのだ、と伝えると
 「よし、今日はここで寝るといい。明日の朝バスが来る」
 と言って寝床を準備し始めた。外に。
 結局ガソリンスタンドに彼も含めてみんな川の字になって寝る。ガソリンスタンドで野宿とは…貴重な経験をしている気がする。
 明け方、東の空がすごい色を発していた。空には雲ひとつない。トルコからシリアに来たんだ、とようやく実感してきた。