忘れものを取りに

--エジプト、カイロ

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 ピラミッドとは5年振りの再会になる。
 相変わらず馬鹿でかく、悠然と僕を迎えてくれる。今回僕には一つの使命がある。「ピラミッドの中に入る」…以前来た時、ツアーの都合でピラミッドの中には入れなかったことを思い出す。そう、これは5年越しの悲願なのだ。
 中はすえた臭いがして、しばらく歩くとすぐに上り坂が始まる。大回廊だ。まあ、なんの洒落っ気もない無骨な通路なのだけど大感激する僕。こっこれが大回廊!無駄に上昇するボルテージ。そして棺の間はさらに素っ気ない。そもそも棺ではない、という説すらある花崗岩の中空のハコだけど、眺めながらなんとなく、やっぱりこれは棺だったんじゃないかな…と思った。根拠は無い。
 一緒に行った韓国人のヨンヒは「これで100ポンドは高すぎ!」と言って怒っていたけど、僕は大満足だった。あー、なんつーか、ノドにささった魚の骨が取れた気分!
 写真はエジプトに来たら日に焼けて太った僕。嘘です。

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次へゆく

--エジプト、ダハブ

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 ダイビング講習も終わり、晴れてアドバンスダイバーとなった夜、インストラクターのたこさんの家で祝賀会。食べる飲む騒ぐ。ふと思うとこういうのはすごく久しぶりな気がする。中東ではおおっぴらに酒が飲めなかったこともあるし、それ以前から考えても数ヶ月ぶりだ。
 次の日からはそれまでの規則正しい生活とは打って変わって何もなくなった。ダラダラするのみ。
 そのギャップは、なんとなく僕の頭を「次の目的地」へと向かわせてしまったようだ。皆はまだまだ滞在するという。でも良く考えたら僕にはあと2ヶ月。いつの間にか残り時間は「~もある」から「~しかない」に変わってしまっていた。そして、この先はまだまだ長いのだ…
 僕は翌日、カイロに向かって出発することにした。
 ゆるい空気、猫と海の町、ダハブ。講習卒業記念にもらった左腕のミサンガが切れる頃、また戻ってこよう。
 出来るならば。

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スクーバ・スクーバ

--エジプト、ダハブ

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 海、深い青。水中で呼吸できるというのは考えていたよりも不思議な感覚だ。鮮やかな色の魚や、奇妙にでっかい奴。「スイミー」を思い出させる、まるで一つの生き物のような小魚の群れ。膨大な珊瑚の森や海底にできた洞窟、途方もない深さの縦穴…見渡す限り青い。
 そこには綺麗で奇妙で不思議な光景が広がっていた。正直、海の中にさして興味はなかったが、完全に考えを改めされられることになった。海の中スゲー。

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珊瑚と海風

--エジプト、ダハブ

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 旅行に出てから4ヶ月にして、初めてリゾート地へ。これまでいくつもの国を通り、多くの宿の情報ノートに「ダハブへ行くべし!」と書いてあったその意味が分かったような気がする。
 エジプトのシナイ半島東側、アカバ湾に面する町ダハブ。海は青く澄み、少し泳ぐだけで美しい熱帯魚や珊瑚を見る事が出来る。海の向こうにはサウジアラビアが見える。
 昼前に起きて海岸のカフェでだらだら本読んだり、バックギャモンしたり、気が向いたら泳いだり。夕暮れに赤く染まるサウジアラビアを眺めつつビールを飲む。これだ!これこそ僕の待ち望んでいた夏だ!
 ダハブはもう一つのリゾート地、シャルム・エル・シェイクに比べると安上がりだけど、多くのダイビングポイントをもっている。ダイビングライセンスを取ろうとかいう気は全然なかったんだけど(Tomo・Ticca夫妻に会うまでは)、せっかくの紅海。せっかくのダハブ。という訳で講習開始!

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リッチ&スロー

--ヨルダン、アカバ

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 アカバ港。ここからフェリーに乗って、エジプトに入国する。
 ここからエジプト、ヌエバ港に向かうフェリーにはスピードボートとスローボートの2種類があり、値段も10ドル程違う。しかしスローボートはかなりの時間待たされた上、ヌエバに着くのは夜になってしまうため僕はスピードボートのチケットを購入。
 紅海の海は青く美しい。チケットを買って乗船した僕はデッキで飽きずに海を眺めていた。しかし何か変だ。出航時間を過ぎても全然動き出す気配がない。これくらいの遅れは普通なのだろうか?と、そこへパルミラ以降良く出会うドレッド青年、タクミ君が現れた。
 「同じ船だったんですねー」
 あれ?タクミ君は今朝僕より早くペトラを出たはずだ。てっきり一つ前のスピードボートに乗り込んだと思っていたのに。同じ船ってことは意外にペトラから時間がかかったのかな?
 「え?なに言ってんですか、これスローボートですよ」
 …どうやら僕は高い金を払ってわざわざ遅い船に乗り込んでしまったらしい。さよなら10ドル。

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幻の都ペトラ

--ヨルダン、ぺトラ

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 インディー・ジョーンズのテーマを口ずさみながらペトラ遺跡へ。ちゃんと前日、宿「Valentine Inn」で「最後の聖戦」を観て予習はバッチリだ。今回もベドウィンの正装(コスプレ)をして向かう。
 ワディ・ムーサという名の渓谷内にあるペトラ遺跡は「幻の都」と呼ばれていたそうだ。なにしろ外からはまったく見えず、四方を岩山に囲まれているのだ。
 細い岩の隙間を1.5キロほど進むと、突然、映画にも出てきたイル・ハズネが姿を現すドラマチックな造り。この中に聖杯が…!と中を覗くと、何もなかった。そりゃそうだ。
 次いで磨岩神殿、洞窟住居などの都市跡が広がる。カッパドキアを思い出すな…

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浮き浮き死海行

--ヨルダン、アンマン

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 さっさとダマスカスを移動して、ヨルダンの首都アンマンへ。
 アンマンからセルビスで2時間ほどで死海へ行ける。死海といえば浮く。ほんとにプカプカ浮くのかどうか、こいつは確かめずにはいられねぇー。
 ヨルダンとイスラエルの国境に横たわる死海の標高は、マイナス394m。地球上の陸地でもっとも低いところだ。最も低いところに流れ込んだ海水は逃げ場をなくして蒸発する。でも塩は残る。そうして塩分濃度が高くなり、浮力が強くなるというわけだ。この高すぎる塩分濃度のせいで魚は生息できない。これが死海の名の由来だ。死海に近づくにつれて、カラカラに乾燥していた空気が重く、湿気を含んできた。蒸し暑い。
 タクシードライバーの遅刻(2時間)によって、日没直後に死海に到着。早速浮いてみる。
 おお!すごい!まったく沈まない。つか沈めない。海中で体操座りとかできる(すぐひっくり返るけど)。
 足の届かない深さのところまで行って直立してみると、立ち泳ぎなんかしなくても浮いている。すごく不思議な気分だ。周りのみんなは泥を塗りたくってパックしていた。これもびっくりするくらい肌がつるつるになったらしい。
 思わず口に入ってきた海水はしょっぱいというより、苦くてしょうがなかった。
 死の丘、死の海、あとはアメリカのデス・バレーに行けばデス系3大名所達成だ。行かないけど。
 対岸にイスラエルの明かりが見える。

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英雄サラディン

--シリア、ダマスカス

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 シリア首都ダマスカス。別名シャム。市街を覆うようにそびえるカシオン山は、それ自体の裾野もびっしりと建物に覆われている。
 このカシオン山は世界初の殺人現場だという。犯人はカインで被害者はアベル。アダムとイブの息子たち。
 ダマスカスにはアイユーブ朝スルタンの王、英雄サラディンの墓もある。十字軍と熾烈な戦いを行ったサラディンは捕虜を全員殺さなかったという寛大な君主だったという。最古のモスクといわれるウマイヤド・モスクに隣接して建っているサラディン廟には、今も多くの人たちが訪れていた。
 写真はウマイヤド・モスク内部。モザイク画が美しい。

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国外退避

--レバノン、ベイルート
 宿に日本大使館から電話が入ってきた。入国のビザ申請時に滞在先として書き込んでいたからだろう。
 「退避勧告は出していませんが、レバノンから出国することをおすすめします」
 同行者と話し合った結果、シリアに戻ろうということに。予定ではベイルートからシリアのダマスカスへ抜けるルートを取ろうとしていたけど、現在レバノン南部の道を通るのはやめたほうがいいだろう、ということで、もと来た道を引き返し北の国境から出てぐるっと迂回するかたちでダマスカスを目指す。
 バスターミナルはやはり避難しようとする人で一杯だったが、なんとか一台のバスにもぐりこむことに成功。車窓からベイルートを振り返ると、さっきまでTVで見ていたのと同じ大きな黒煙が見えた。

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レバノン杉と戦闘開始

--レバノン、ベイルート

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 昔のメルセデスがごろごろ街中を走る国、レバノンにやって来た。
 ベイルートの北、トリポリという町でも未だに内戦の跡を目にすることができ、弾痕だらけの廃墟ビルなんかが市街中心部にも残っていたりする。
 ベイルートは地中海を臨む大都市で、久しぶりに高層ビル群に出会った。美しい街だ。
 レバノンの国旗には上下に赤いライン、真ん中には一本の木があしらわれている。これがレバノン杉と呼ばれる杉(見た目はどちらかというと松)で、現在はレバノン等のごく一部にしか残っておらず、保護されている種とのことだ。レバノン杉を見に行って、ベイルートに戻り海辺で夕食をとる。ここがこの旅行で初の海岸なんだ、僕はようやく地中海までたどり着いたんだと思うと感慨深い。地中海に沈む夕日も、ベイルートの夜景もとてもとても綺麗だった。

 この日、ベイルート空港がイスラエルに空爆された。

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