知っているのは名前だけ

--イタリア、フィレンツェ

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 ローマを出てどこへ行こうか。
 南に下って、また北に戻る気にはなれないからナポリは除外。うわさに聞く青の洞窟はいつの日か、また。さしあたって北方面、最寄の都市はフィレンツェだ。誰かに強く薦められていた街だ。ミケランジェロの彫刻がある街だったか?
 他に何があるのかよく知らないけど、街の名前には結構聞き覚えがあったので、多分有名観光地だろう。何を見るかは行って考えればいいか。
 フィレンツェに着いたのはもう夜で、ツーリストインフォも閉まっていた。地図を貰って、ついでに安い宿を教えてもらおうと思っていたのだけど、これじゃ右も左もわからない。困って歩き出すと、見知らぬおじいちゃんが声を掛けてきた。
 「宿を探してるのか?」
 「あるの?」
 どうやら客引きだったようだ。でも観光地だし高いんだろうなー。と思っていると、16ユーロ。ぜんぜんオッケー、渡りに船だ。おじいちゃんの名前はアンジェロと言うそうだ。
 「フィレンツェにはどれくらいいるつもりだ?」
 「うーん、明日だけ」
 「そりゃ短すぎる!」
 確かにここの所、急ぎすぎている気はしなくもない。
 でもなんだかヨーロッパは落ち着く気になれないのだ。いや、落ち着いたが最後動き出せそうに無い気がする。
 可能ならば毎日移動したい。宿探しは面倒だけど…
 ともあれ、フィレンツェで運よくめぐり合ったゲストハウスは良い感じに落ち着ける雰囲気で、非常に気に入った。

 Guesthouse Pesce
 Dorm:16Euro
 Tel:348-256-83-70
 Via del Campuccio n゜31, Firenze, Italy

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コロッセオと太鼓

--イタリア、ローマ

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 コロッセオに向かって歩いていると、いろいろな人を目にする。絵を描いているおじいさん、石像になりきっている大道芸人、そしてその先に、タイコを抱えた和風な服装の人たちを発見。さっそくコンタクトすると、やはり日本人だった。
 イトウさんとミカドさんというお二人は、一月ほどかけてイタリア各地で太鼓を打ち鳴らす旅の途中であるらしい。衣装はなんと手作り!桶太鼓というらしい(違ったらごめんなさい)そのタイコは意外に大きな音が鳴り、イタリア人から喝采を受けていた。が、ちょっと音が大きすぎたらしく、ポリスに警告を受けること2回。なかなか大っぴらにタイコを鳴らせるところは無いようだ。
 「こうなったらコロッセオの真ん中で伝説に残るライブを!」
 「いや、それはマジで捕まる」
 そりゃそうか。
【動画】桶太鼓ライブスタート!(2.2MB)
※サウンドが流れます。ご注意ください。

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懐かしいな、それ

--イタリア、ローマ

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 ローマの町を歩く。一定の間隔をおいて、露店が出ている。偽ブランドのカバンとか、変なチョロQみたいなおもちゃとか、三脚とか。
 三脚?そういえば三脚を買おうと思っていたんだった。なぜかというとオーロラ撮影になくてはならないものだからだ。使うのはしばらく先ではあるが、この先どんどん物価は上がっていくだろうし、この辺りで買っておいたほうが良いかもしれない。値段を尋ねると「30ユーロ」。
 30ユーロか。物は試しと、「10ユーロ」と言ってみる。それじゃ売れないという店主。20ユーロが限度だと。まあ、また今度にするか…店を離れようとすると、店主が言った。
 「How Much?」
 ん?なんだこの懐かしい感覚は。この受け答え、すごい聞きなれたやりとりだ。
 「どこから来たの?」
 「バングラデシュ」
 やっぱりか。どうりで懐かしいはずだ。インドで一日最低5回くらいは耳にしていた「How Much?」。僕は3ヶ月前バングラに行ったよ(トランジットだけど)、とか、あっちのほうから延々来たんだよ、とかしばらく話した。
 最終的に15ユーロで三脚を購入。

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偽りの心がある者は

--イタリア、ローマ

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 映画「ローマの休日」で有名な「真実の口」。
 何度も道を尋ねながらサンタ・マリア・イン・コスメディン教会に辿り着くと、えらく小ぢんまりとした場所であるにもかかわらず既に長蛇の列が。さすがに大人気スポットだ。
 しかし狭い通路にきっちり並んで一組ずつ写真を撮る様は、まるで工場の流れ作業のようだ。とても混じる気にはなれなかったので(一人だし)柵の外側から撮って退散。
 心も偽りだらけだしな。
 わざわざ手を差し込んでみるまでもなく。
 さて、この真実の口、もともとは下水溝のマンホールの上蓋だったらしいが、どういう経緯でここに飾られるようなったんだろうか?因みにこのオッサンはギリシア神話、海神ポセイドンの息子トリトン。嘘が嫌い…かどうかは知らない。

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「う」「お」

--イタリア、ローマ

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 僕は何をトチ狂ってローマを飛ばそうとしていたのだろうか。危ない。これを見ずに進んでしまうところだったのか!信じられない!
 バチカン市国、サン・ピエトロ大聖堂の前広場にて僕が発することの出来た音は2種類だった。すなわち「う」「お」。
 そのあとで笑いがやってきた。スゲエ、凄すぎる、壮大で美麗で精密すぎるそれはたぶん僕の許容量以上だったのだろう。笑いが止まらない。巨大な広場を囲むように並ぶ列柱一本一本の上にいちいち緻密な石像が並んでいる。すべてポーズは違う。いったい何体あるんだ…
 聖堂からは鐘が鳴り響く。笑うしかない。ここまで無駄に豪華だと。
【動画】広場をぐるっと撮ってみた(1.3MB)
※サウンドが流れます。ご注意ください。

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ローマを見てから死ね

--イタリア、アンコナ

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 港町アンコナをうろうろした末に辿り着いた駅のチケット売り場に並びながら、買ったばかりの1/3000000ヨーロッパ全図を広げてヴェネツィア行きのチケットはいくらだろう、とか考えていた。行くことを諦めた「Roma」という文字と大体の距離をぼんやりと眺めていると、不意に「ローマを見てから死ね」という言葉が浮かんだ。
 しばらく誰の言葉だっけ、と考えて、昔買ったCDのタイトルだったことを思い出した。ローマを見てから死ね。ローマを見てから死ね。ローマを見ずに死んでしまっていいのか?確かにそうだ、ちょっと遠いからといっても、これまではどうだった?隣町くらいの距離じゃないか。確かにそうだ、ローマを見ずに死ぬわけにはいかない。
 行き先→ローマ。多分これは神の啓示。

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アンコナ?バーリ?

--ギリシャ、パトラ

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 アテネに戻った僕は、4月に購入して以来僕の旅行を支えてくれていたメイド・イン・チェンマイのサンダルと別れを告げた。製作者のガタイのようにとてもしっかりした造りだったこいつも、既に踵部分はペラペラに薄くなり、右足の親指部分はちぎれてしまっている。「できれば日本まで持って帰りたいけど、無駄な荷物を持つ余裕はないんだ」。戦友はアテネの名も無いゴミ箱へと姿を消した。さらば。
 さてその後、ほとんどアテネを素通りしてペロポネソス半島の西端、パトラという港町へ向かった。ここからイタリア行きのフェリーが出ているという。
 さて切符を購入する。受付の女性が言った。
 「アンコナ行き?バーリ行き?」
 「?」
 何。イタリア側には港が2つあるのか。ただなんとなく、イタリアの南端に着くもんだろうと思っていた僕がまごついていると、アンコナ行きのチケットが渡された。アンコナが一体どのあたりにあるのかすら知らないけど、「まあいいか」…いつものように済ませてしまった。これは失敗だった。
 船内に掲げられているイタリア地図で確かめると…やけに北だな…アンコナはローマよりも北、どちらかというとヴェネツィア寄りの港だったのだ。
 今更ながら確認を怠ったのを後悔した。これではナポリに行けそうにない。青の洞窟やポンペイ遺跡で有名なナポリは行きたい街のひとつだったが、行くにはちょっと遠い。それどころか正直、ローマも地味に遠い。
 …この際ナポリもローマもあきらめて、ヴェネツィア、ミラノ程度でイタリアを抜けてしまおうか?そしてフランスに入る。まあ仕方ないか、そうしよう。アンコナに船が入港するころ、僕はそう決めた。

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廃船オリンピア

--ギリシャ、アモルゴス

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 スクーターで山の上を走るのはかなりきつい。その理由は半端じゃない風速だ。北の海から吹く風が高い山で巨大な雲を生み出しながら南の海に吹き降ろす。場所によってはスクーターごと吹っ飛ばされてしまいそうな勢いだ。なにせそのようなポイントでは、一日中雲が生まれている。日没後は寒くて凍えそうだ。Tシャツでこの標高差はキツイな…
 島の西端のビーチを目指して走っていると、小さな湾と奇妙に傾いた船が停泊しているのが視界の隅に入った。あんな辺鄙な湾に──いや、あれは廃船か──興味を惹かれて道なき道を1キロほど歩くと、まさしく廃船があった。かすかに「OLYMPIA」という名前が見て取れた。
 船の横腹には朽ちて大きな穴が開いており、波が寄せるたびに水が噴き出しているように見える。船の内側は既にボロボロの空洞になっているようだ。
 このままここで跡形も無くなるまで在り続けるんだろう。この船に乗っていたのはどんな人々だったんだろうか…

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アモルゴスの一日

--ギリシャ、アモルゴス

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 アモルゴスに来たのはやはり正解だった。意外にも島の規模は大きいが、人口密度はミコノスと比べものにならないほど少なく、おかげで殆ど人のいない砂浜で気が向いたら泳ぎ、体が乾くまでだらだら本を読む。ゆっくりしている。鳩の低い、小鳥の高い鳴き声、どこからかパンケーキが焼けるにおいがする。
 島を見て回る為に、スクーターを一日レンタルした。僕によって「アモル号」と安直に命名されたそいつは、メーター類が全て死んでいます。残燃料計すら動かないのはちょっと不安だ。
 そして、南の崖にへばりつくようにして建つ(というよりは、おそらく崖を切り出したのであろう)Chozoviotissasという修道院へ。島の南側は陸からの風がものすごく、青い海にいくつもの波を作り出していくのが見える。その波の飛沫すらも、強風によって砂嵐のような一群となり海面を駆け抜けていく。虹を作りながら。

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エーゲ海辺境

--ギリシャ、アモルゴス

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 小キクラデス諸島の南に位置するアモルゴス島は、映画「グラン・ブルー」の舞台となったことで一部の人に有名な島だ(ジャン・レノが“エンゾ”という役名で出演しているアレと言ったほうが分かる人がいるかもしれない)。
 ナクソスから約6時間半。距離の割に時間がかかるのは他のキクラデスの島々に寄って最後に辿り着く島だからだ。アモルゴス島の辺りは何故かとても波が荒く、デッキにいると軽く振り落とされるかと思った。
 マイナーな島とはいえ、連絡船にはそれなりに人が乗っており、着いてから安宿が見つかるだろうか…と少々不安になる。案の定、港の客引きに値段を訊くと「50ユーロ」。高いなあ…もうすこし安くならないか、と言うだけ言ってみると、「25ユーロ」。えっ!?いきなり半額??僕の格好から「こいつ金なさそう」とか「かわいそうだな…」とか思われたんだろうか。なんにせよラッキーだ。それなら2泊しよう!
 案内されると、全然素敵な部屋でびっくりした。

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